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2024年11月29日

コラムVol.20『電力とスマート家電~生活を豊かにする技術~』

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スマート家電は私たちの日常生活を便利にし、家電の使用状況や消費電力などをデータとして可視化できるため、省エネの観点からも効果が期待されています。海外主要国では普及が進んでいますが、日本はまだ利用率が低いのが現状です。ここではスマート家電の特徴やスマート家電を賢く使う方法についてご紹介します。

■スマート家電とは

スマート家電とは、スマートフォンやタブレットを通じてインターネットに接続され、遠隔操作や自動化が可能な家電製品を指します。主なスマート家電には、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、テレビ、ロボット掃除機、炊飯器などがあります。日本におけるスマート家電の世帯保有率は、消費税の導入やコロナ禍などによりアップダウンしていましたが、2023年には11.0%*と近年は伸長しています。スマート家電の主な特徴は以下の通りです。

【特徴その1:便利な遠隔操作と自動化】

スマート家電の最大の特徴は、外出先から操作ができる点です。例えば、エアコンや照明を帰宅時間に合わせて調整することができます。他にも不在時にロボット掃除機で掃除したり、冷蔵庫に入っている食材の在庫状況を外出先で把握し余計な食材を買わずに食品ロスを防いだりと家事の効率化が実現し、時間の節約にもつながっています。

【特徴その2:エネルギー効率と節電効果】

スマート家電の導入によって、連携するアプリで電気の使用量をチェックできるものがあります。また、多くの製品には省エネモードが搭載されており消費電力を最適化しています。設定した時間や温度・湿度になると自動でパワーを制御して最適な運転をするエアコンや、人の存在を感じたときのみ自動的に点灯する照明などがあります。

【特徴その3:統合管理システムとの連携】

スマートスピーカー

複数のスマート家電を一元管理するアプリやシステムと連携することで、一つの画面からコントロールできます。例えば、GoogleHomeやAmazonAlexaなどのスマートスピーカーを使用することで音声による操作が可能となります。
このスマートスピーカーの最大のメリットは、子供からお年寄りまで話しかけるだけで簡単に操作ができる点です。朝の天気予報やニュース、目的地までのルート検索など知りたいことを呼びかけるだけですぐに答えを導き出せるスピードが魅力です。
[* 参考サイト]
総務省 | 通信利用動向調査(2024年11月26日閲覧)

■スマート家電の要確認点

快適で時短や節電効果があり、すぐにでも使ってみたくなるスマート家電ですが、その反面、導入前に確認しておきたい点があります。

【高額な初期費用】

一般的にスマート家電は従来の家電よりも高性能のため、価格が高額になる傾向があります。最近では、家の住宅設備や家電のIoT化・AI活用を進めた「スマートハウス」も登場していますが、普及にはこの初期費用の高さが壁となっている面もあるようです。

悩む夫婦

【技術的な知識が必要】

スマート家電の設置や設定には一定の技術的知識が必要です。BluetoothやWi-Fiで接続するためにスマートフォンやタブレットにアプリ等をダウンロードし、スマート家電を登録します。また不正アクセスを防ぐために、QRコードを読み取ったり、一時的なパスコードを入力したりしてセキュリティ認証を設定します。スマート家電を使用する際は、これらの基本的な操作を理解しておく必要があります。スマートフォンやタブレットの操作が不慣れなご家庭で導入する際は、エラー発生時のサポート体制を予め整えておくことも重要です。

【停電時の対応やセキュリティの課題】

停電が発生すると、スマート家電は機能しなくなります。暖房や冷房が使用できなくなれば、生活環境に大きな影響を与えます。そのため、電気が急に止まっても家電に一時的な電力を供給する無停電電源装置(UPS)を導入したり、停電時の手動操作マニュアルを備え置いておいたりして一定の準備をしておく必要があります。
インターネットを利用するため、ネットワークセキュリティのリスクも伴います。例えば、サイバー攻撃によってスマート家電が制御不能となり、事件や事故に巻き込まれるリスクもあります。そのためネットワークで利用するパスワードの管理や外出先でスマートフォンを使用する際の周囲への配慮など、自分自身のセキュリティ意識を持つことが求められます。

セキュリティ

■スマート家電を上手に使うコツ

便利な反面、ちょっと気になる点もあるスマート家電ですが、賢く導入・活用するためのポイントをご紹介します。

【各自治体の補助制度】

スマート家電は省エネにも結び付くため、各自治体で補助制度の対象となっている場合があります。この制度は、省エネ家電を購入した人に対し購入金額の何割かを給付金として支給する制度です。また、一部の市区町村では「スマートハウス設備導入費補助金」などの給付もあります。これらの補助制度は申請の時期や金額、方法などが自治体により異なるため購入時にはまず、お住まいの自治体にどんな制度があるかを確認しましょう。

【購入前のレンタルサービス】

スマート家電は高性能ですが高額になりがちです。また種類もバラエティ豊富で性能も異なるため、レンタルサービスを活用し購入前に試しに使用してみることをおすすめします。自分の生活にとって必要な機能を絞り込むとともに、長期的な節電効果やコストパフォーマンスを検討してから購入するようにしましょう。

【使用状況の「見える化」とメンテナンス】

スマート家電は、通常でも省エネモードを利用することで電力の削減が期待できます。購入時にはできるだけエネルギー効率の高い製品を選ぶとともに、日頃から使用状況をモニタリングしながら快適な生活になるよう設定を調整していきます。また、定期メンテナンスやソフトウエアのアップデートを行い、最適な性能を維持するようにしましょう。

スマート家電

■おわりに

日本では海外主要国に比べまだまだ導入率が低いスマート家電ですが、今後さらなる市場の拡大が期待されています。
日常生活を豊かにするだけではなく環境への負担を軽減する可能性を秘めているスマート家電を賢く導入し、スマートな生活を楽しみましょう。
ライフハックライター 永田 あゆみ(中小企業診断士)