2020年11月4日
注意: このコラムは4年2か月前に書かれたものです。情報が古い可能性がありますので、ご利用の際にはご注意ください。新日本エネルギーが提供する現在のサービスの詳細については電気供給約款のページをご参照ください。
電気料金に含まれている燃料費調整額。 支払う料金なのにマイナスと表記してあることも… 「電気の使用量は前の月と変わらないのに、電気代が違う」 それは燃料費調整額が、一因になっているかもしれません。 電気料金を知る上で、毎月発生しているものを見て見ぬ振りはできないですよね? そこで今回は燃料費調整額について、深堀りしてみましょう。 ■燃料費調整制度 燃料費調整制度とは、化石燃料の価格の変動に合わせて、月々の電気料金を調整する制度です。 この制度により調整された額が、電気料金に反映されていますます。 日本の電力の半分以上は火力発電が占めています。そして化石燃料はほとんどを輸入でまかなっているため、 輸入価格は国際情勢に大きく影響を受けます。そこで、変動する輸入価格の影響を抑え、安定して電気を供給すること。 そして、情勢などの影響を外部化することにより、事業者の経営環境の安定や、 為替変動による差益を消費者に還元することを目的として始まりました。 ちなみに、燃料費調整額を算出する為の燃料調整単価は、 再生可能エネルギー発電促進賦課金とは違い、法により単価が定められているものではありません。 【制度の見直し】 燃料費調整制度が導入されたのは、1996年。 しかし、2008年に原油価格が高騰。日本経済に大きな打撃を与えました。 化石燃料による火力発電が大きなシェアを占めている電気事業も、当然影響を受けることとなります。 そこで、制度開始以降四半期ごとに電気料金を調整していたものを、調整期間を見直し、 よりスピーディーに反映させることで、料金の変動を均一化させる様に工夫が行われました。 ■燃料調整費の算出方法
燃料費調整額は、実際の燃料の価格を基準とするわけなのですが、 算定するにあたって知っておくべき価格や単価があります。 ・基準燃料価格:各電力会社ごとに設定している、料金設定の基準となるもの。燃料の仕入れ価格の見込み価格。 ・基準単価:平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の燃料費調整単価である。 ・平均燃料価格:貿易統計実績をもとに算定する燃料価格の3ヶ月間の平均値。
また難しい用語がたくさん出てきましたが、実際に燃料費調整額が決まる流れを見てみましょう。 【算定方法】 ①:平均燃料価格=A×α+B×β+C×γ(100円未満四捨五入) A:平均燃料価格の算定期間における1klあたりの平均原油価格 B:平均燃料価格の算定期間における1tあたりの平均LNG(液化天然ガス)価格 C:平均燃料価格の算定期間における1tあたりの平均石炭価格 (α、β、γは原油換算率に燃料種別ごとの熱量構成比を乗じた係数)
②:燃料費調整単価[円/kWh]=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価÷1000 ③:燃料費調整額=燃料費調整単価×電力使用量
この様な流れで算定されるのですが…わかりにくいですね。 もっと簡単な言葉で言うと、 ①:ある期間内で発電に使われる燃料の平均価格と、各電力会社が決めた、どの燃料をどの割合で使うかという係数を掛け合せたものの合計を出す。 ②:各電力会社が決めた、燃料を仕入れるための見込み費用と、①の差。その差と、燃料の価格変動により自動で決まる単価から、燃料費調整単価を出す。 ③:②とお客様の使用電力から、実際に調整される額が分かる。
計算はとても難しいですが、燃料の価格の変化により、細かく変動する数値が用いられているため、 国際情勢の変化など外部の影響で、燃料調整費も変わってくることをおさえておきましょう! 【燃料費調整額のプラス、マイナスとは】 制度の見直しの際にも触れましたが、燃料費調整単価は、毎月調整が行われるようになりました。 平均燃料価格に基づき、2ヶ月後の燃料費調整単価を算定し、毎月の電気料金に反映されています。 毎月、燃料費調整額が請求された際に、想定の価格よりも安く燃料を仕入れることが出来た時には、 燃料費調整額のマイナス調整を行い、消費者に還元するのです。 実際の検針票を見てみると、金額がマイナスで表記されていますので、お家にあるものを確認してみてください。 またその逆も然り。プラス調整が行われている時は、燃料価格が電力会社が想定よりも高くなっていると見ることが出来ます。 ■おわりに 主な移動手段を車で生活している方は、ガソリンの価格を毎日のように見ていると思います。 「高くなったなぁ…」と感じたら、もしかすると数カ月後の電気料金にも影響が出ているかもしれません。 ぜひ検針票をチェックしてみましょう。 また、電力自由化以降は、火力発電よりも再生可能エネルギーによる発電での電気をメインに販売している電力会社などもあります。 そういった場合、燃料費調整額をお客様に請求しないなど、新しい動きも出てきています。 再生可能エネルギーの普及を国として進めているので、そういった点でも、 これからの新しいプランや電気料金の変化に、燃料費調整額が絡んでくるかもしれませんね。
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注意: このコラムは4年2か月前に書かれたものです。情報が古い可能性がありますので、ご利用の際にはご注意ください。新日本エネルギーが提供する現在のサービスの詳細については電気供給約款のページをご参照ください。
電気料金に含まれている燃料費調整額。
支払う料金なのにマイナスと表記してあることも…
「電気の使用量は前の月と変わらないのに、電気代が違う」
それは燃料費調整額が、一因になっているかもしれません。
電気料金を知る上で、毎月発生しているものを見て見ぬ振りはできないですよね?
そこで今回は燃料費調整額について、深堀りしてみましょう。
■燃料費調整制度
燃料費調整制度とは、化石燃料の価格の変動に合わせて、月々の電気料金を調整する制度です。
この制度により調整された額が、電気料金に反映されていますます。
日本の電力の半分以上は火力発電が占めています。そして化石燃料はほとんどを輸入でまかなっているため、
輸入価格は国際情勢に大きく影響を受けます。そこで、変動する輸入価格の影響を抑え、安定して電気を供給すること。
そして、情勢などの影響を外部化することにより、事業者の経営環境の安定や、
為替変動による差益を消費者に還元することを目的として始まりました。
ちなみに、燃料費調整額を算出する為の燃料調整単価は、
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは違い、法により単価が定められているものではありません。
【制度の見直し】
燃料費調整制度が導入されたのは、1996年。
しかし、2008年に原油価格が高騰。日本経済に大きな打撃を与えました。
化石燃料による火力発電が大きなシェアを占めている電気事業も、当然影響を受けることとなります。
そこで、制度開始以降四半期ごとに電気料金を調整していたものを、調整期間を見直し、
よりスピーディーに反映させることで、料金の変動を均一化させる様に工夫が行われました。
■燃料調整費の算出方法
燃料費調整額は、実際の燃料の価格を基準とするわけなのですが、
算定するにあたって知っておくべき価格や単価があります。
・基準燃料価格:各電力会社ごとに設定している、料金設定の基準となるもの。燃料の仕入れ価格の見込み価格。
・基準単価:平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の燃料費調整単価である。
・平均燃料価格:貿易統計実績をもとに算定する燃料価格の3ヶ月間の平均値。
また難しい用語がたくさん出てきましたが、実際に燃料費調整額が決まる流れを見てみましょう。
【算定方法】
①:平均燃料価格=A×α+B×β+C×γ(100円未満四捨五入)
A:平均燃料価格の算定期間における1klあたりの平均原油価格
B:平均燃料価格の算定期間における1tあたりの平均LNG(液化天然ガス)価格
C:平均燃料価格の算定期間における1tあたりの平均石炭価格
(α、β、γは原油換算率に燃料種別ごとの熱量構成比を乗じた係数)
②:燃料費調整単価[円/kWh]=(平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価÷1000
③:燃料費調整額=燃料費調整単価×電力使用量
この様な流れで算定されるのですが…わかりにくいですね。
もっと簡単な言葉で言うと、
①:ある期間内で発電に使われる燃料の平均価格と、各電力会社が決めた、どの燃料をどの割合で使うかという係数を掛け合せたものの合計を出す。
②:各電力会社が決めた、燃料を仕入れるための見込み費用と、①の差。その差と、燃料の価格変動により自動で決まる単価から、燃料費調整単価を出す。
③:②とお客様の使用電力から、実際に調整される額が分かる。
計算はとても難しいですが、燃料の価格の変化により、細かく変動する数値が用いられているため、
国際情勢の変化など外部の影響で、燃料調整費も変わってくることをおさえておきましょう!
【燃料費調整額のプラス、マイナスとは】
制度の見直しの際にも触れましたが、燃料費調整単価は、毎月調整が行われるようになりました。
平均燃料価格に基づき、2ヶ月後の燃料費調整単価を算定し、毎月の電気料金に反映されています。
毎月、燃料費調整額が請求された際に、想定の価格よりも安く燃料を仕入れることが出来た時には、
燃料費調整額のマイナス調整を行い、消費者に還元するのです。
実際の検針票を見てみると、金額がマイナスで表記されていますので、お家にあるものを確認してみてください。
またその逆も然り。プラス調整が行われている時は、燃料価格が電力会社が想定よりも高くなっていると見ることが出来ます。
■おわりに
主な移動手段を車で生活している方は、ガソリンの価格を毎日のように見ていると思います。
「高くなったなぁ…」と感じたら、もしかすると数カ月後の電気料金にも影響が出ているかもしれません。
ぜひ検針票をチェックしてみましょう。
また、電力自由化以降は、火力発電よりも再生可能エネルギーによる発電での電気をメインに販売している電力会社などもあります。
そういった場合、燃料費調整額をお客様に請求しないなど、新しい動きも出てきています。
再生可能エネルギーの普及を国として進めているので、そういった点でも、
これからの新しいプランや電気料金の変化に、燃料費調整額が絡んでくるかもしれませんね。