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2024年9月20日

コラムVol.17『今年の猛暑はまだ続く! 節電と快適さを両立するコツ』

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8月20日に日本気象協会が発表した2024年9月~11月の気温傾向では、9月~10月にかけて全国的に平年より高く、厳しい残暑が続き、降水量は太平洋側で平年並みか多くなる予想です。
猛暑は残りつつも、少しずつ秋へと季節が進み、寒暖差が出始める9月だからこそ、熱中症以外の体調への影響にも注意が必要です。エアコン以外の家電の利用や湿度対策などで部屋の環境を調整しながら快適に過ごす節電法や夏物家電の保管方法をご紹介します。

■熱中症だけじゃない! 9月に注意すべき2つの症状とは?

9月は7・8月にはない「寒暖差疲労」、さらに少し聞き慣れない「9月病」にも注意が必要です。

頭を押さえている女性

【寒暖差疲労】
「寒暖差疲労」とは、気温差の変化から体の機能を調節するために自律神経がエネルギーを消費しすぎることで発症します。主にめまいや疲労感、食欲不振などの症状が起こります。特に1日の最高気温と最低気温との差や、前日との気温差が7度以上ある日に、症状が出やすいと言われています。
【9月病】
一般的には「5月病」が有名ですが、実は「9月病」もあります。特に夏休みやお盆など長期休みの後に夏の疲れと気候の変化で無気力や不眠、頭痛などの症状が現れます。ひどくなると不登校や退職へとつながる場合があります。

これらの症状に共通した予防策として、規則正しい生活や、適度な運動、バランスの良い食事、十分な睡眠などが挙げられます。メンタルの不調には、朝、太陽光を浴びる、新しい趣味を始める、アロマやハーブを利用してリラックス効果を高め、自立神経を整えることなどが有効です。また、細かい気温変化に対応し、適切な衣服を選び、身体を冷やしすぎないことも重要です。

■こまかい積み重ねで「節電」と「快適さ」を両立

9月は日々の天候の変化や、1日の寒暖差が大きくなり始める時期です。毎日の天候や気温を確認し、その変化を上手に活かしましょう。節電しながら小さな工夫で快適に過ごす方法をご紹介します。

サーキュレーター

【エアコンの上手な活用法】
1. サーキュレーターや扇風機との併用
サーキュレーターや扇風機を併用することで、空気の循環が向上し、効率的に部屋を冷やします。風に当たることで涼しく感じるため、エアコンの設定温度を高くしても、快適に過ごすことができます。
冷房時エアコンの設定温度を1度上げるだけで、約13%の節電効果があるといわれています。サーキュレーターや扇風機の消費電力はエアコンに比べて低いため、併用した方が、一日あたり数十円の節電になります。
2. エアコンのフィルター清掃
エアコンの清掃は、シーズン前後に専用業者へ依頼することも多いと思われますが、フィルターは、ご家庭でも清掃ができます。フィルターが汚れたままでは、冷房効率の低下や電力消費量の増加だけではなく、エアコン本体に負荷がかかり、故障の原因にも繋がります。
フィルターは、水や中性洗剤で優しく洗い流し、しっかり乾燥させて再度取り付けます。9月の気温が低下した日こそ清掃日に最適です。
【湿度対策のための便利アイテム】
気象庁が発表している2023年9月の東京の平均湿度は80%でした。同じく仙台では81%、福岡・札幌では76%、名古屋は73%と、快適な湿度は40~60%とされている中、昨年の9月は比較的高い湿度の地点が多く見られました。
[参考情報]
気象庁 | 過去の気象データ検索(2024年9月18日閲覧)
東京都保険医療局 | 健康・快適居住環境の指針(2024年9月18日閲覧)
湿度が高いと体感温度が上がるため、実際の気温以上に暑く感じます。逆に湿度が下がれば、エアコンの設定温度を上げても、快適さを維持できます。一般的なエアコンの除湿機能や、除湿機以外にも湿度を下げたり確認したりするアイテムをご紹介します。
1. 調湿建材(漆喰や珪藻土):漆喰や珪藻土は、空気中の余分な湿気を吸い取り、必要な際は放出することで、室内の環境を整えます。また消臭効果や結露・カビ防止などにも効果があります。壁面の塗り直しは費用もかかりますが、最近では、アートパネル型やDIY用のセット商品など、手軽に活用できる商品が販売されています。
2. 炭(備長炭や竹炭):備長炭や竹炭は、多孔質構造を持ち、調湿建材同様、除湿と加湿の両方を行う調湿性があり、消臭性にも優れています。最近では、一般的な広葉樹の炭よりも効果の高い針葉樹の炭や、観葉植物を植えた炭プランツなど、商品のバリエーションも広がっています。
3. デジタル温湿度計:気温の上昇は体感しやすいのですが、湿度にはなかなか気づくことができません。デジタル温湿度計があれば、一目で現在の気温と湿度を確認し、換気や除湿器の利用など、快適な湿度への調整に気を配ることができます。

■正しい保管方法で夏物家電を来年も快適に

暑さ対策として、ここ数年で需要が増加した、冷却ファン付の帽子や衣類、それにハンディファン。今年は街中でも利用している姿を多く見かけました。ハンディファンは、家電ショップ以外でも気軽に購入できますが、商品の大半は、リチウム電池を使用した、れっきとした家電。保管には注意が必要です。

電池

【冷却ファン付帽子や衣類】
冷却ファン付の帽子や衣類は、ファン部分を取り外し、洗濯表示に従って洗濯します。ファンは埃や汚れを取り除き、できれば専用ケースなどに入れ、湿気の少ない場所で保管します。
【ハンディファン(リチウム電池)】
リチウム電池は、満充電(電池残量100%)や完全放電(電池残量0%)状態で長期間保管すると、電池の寿命が縮む可能性があります。
ハンディファンの本体から取り外し可能な構造の場合は、リチウム電池を取り外し、電極部分がショートしないように保護します。湿気の高い場所で保管すると電池の劣化が進むため、乾燥した涼しい場所で保管します。
リチウム電池は日々少しずつ自己(自然)放電するため、保管中も数ヶ月に一度は状態を確認し、必要に応じて充電しておきましょう。
ハンディファン本体は、まずフィルターや羽根の埃を取り除きます。衝撃に弱いタイプもあるので、落下せず、周りから圧力がかからない場所で保管しましょう。

■おわりに

9月は急な気温低下や台風などの天候変化に加え、1日の中でも寒暖差が出る季節です。また夏の疲れや長期休み明けなど、身体の不調が出やすい時期でもあります。寒暖差を上手に活かし 、小さな工夫を積み上げ、節電と快適な暮らしを両立しましょう。また夏物家電を上手に保管し、来年に備えましょう。
ライフハックライター 永田 あゆみ(中小企業診断士)