2020年12月9日
注意: このコラムは3年0か月前に書かれたものです。情報が古い可能性がありますので、ご利用の際にはご注意ください。新日本エネルギーが提供する現在のサービスの詳細については電気供給約款のページをご参照ください。
再エネの普及を進めている昨今。 環境問題や、エネルギー自給の問題など、発電を取り巻く環境は規模の大きい話が多いです。その中で、目標が明確になった時、状況の変化に合わせて制度も変化していくものです。制度の変化は少なからずみなさまにも影響を与えてきました。 そこで今回は、再エネに関する制度の変化を一緒にみていきましょう。 br> ■余剰電力買取制度 この制度は2009年11月に始まり、2012年7月まで行われていました。 太陽光パネルを設置しているお家を見かけることってありますよね。 そういった家庭は、お家で発電を少なからずしています。その発電した電気の内、使わなかったものを電気事業者が買い取るのです。一定の価格で、10年間。これが制度の内容です。太陽光発電でつくられた電気を、各家庭で使用し余った電気を買い取るということで、家庭での省エネや節電。そして太陽光発電を進める意味でも、地球温暖化に有効とされていました。2012年に新たに固定価格買取制度という制度が始まります。そこで、制度の一本化が行われ、余剰電力買取制度は終わりを迎えます。 住宅用の太陽光発電により作られた電気の買取期間は10年でした。そこで、10年を満了した方々の電気の買取は保証されなくなりました。 br> ■固定価格買取制度(FIT) 先程、名前が出てきた固定価格買取制度。FIT制度とも呼ばれています。この制度が行われた目的は、再エネの普及です。余剰電力買取制度の対象は太陽光発電のみでした。しかし、FITは再エネが対象であり、もちろん太陽光も含まれているため、一本化されました。この制度も、国が定めた価格で一定期間、再エネにより作られた電気を電気事業者が買い取ります。 br> ではなぜ、このFIT制度は始まったのでしょうか。 br> まず、余剰電力買取制度で太陽光発電の導入が進みました。しかし、他の再エネはどうかと言われると、太陽光発電の様な状況にはなっていません。また、世界的に脱炭素社会が目指されている状況で、いつまでも石炭による火力発電だけに頼っているにはいきません。そもそも、日本の石油の調達は輸入に頼っていて、エネルギー自給率を上げる意味でも再エネによる発電を増やす必要があります。再エネの普及や、日本のエネルギー自給率、脱炭素化、そこへ向かうために始まりました。 br> 結果的にこの制度により再エネの導入は進みました。ただ、再エネ導入にかかるコストをみなさんの電気代に含まれる、再エネ賦課金により賄っており、その負担額は年々膨らんできました。電気の使用量は減っているのに、電気代が高くなっているということがあるかもしれません。そんな時はどんどん高くなっている賦課金が原因の可能性もあります。 br> 高くなっている賦課金も、これ以上負担が大きくなるのはいかがなものかと。ある程度再エネの普及も進んできた中で、いつまでも特別扱いは出来ません。そこで、だんだんFIT電気もこれまでの電気の購入の仕組みに戻していこうとなっていた中で、最終的に2020年の見直しで、大規模事業用太陽光発電や、風力発電などの導入が進んでいる競争力のある電源から、FIPと呼ばれる制度への移行をすることが決まりました。 住宅用の電源は、条件付きでFITを継続します。 では、FIPとはどの様な制度なのでしょうか。 br> ■FIP制度 FIP制度。この制度はまだ始まっていません。2022年からの開始が先日決定しました。現在も制度設計が行われていますが、ドイツなどこの制度を導入している国はあります。FITとの目的の違いは、再エネの普及ではなく、自立であることです。その為、これまで直接やり取りされていたFIT電気が市場にでることになります。 再エネが化石燃料に頼っている発電から、メインの座を頂くにはやはり、もっともっと競争力をつける必要があります。そこで、これまで競争から外して普及に努めていた状況から、競争環境下で自立するまでの途中経過で、FIPが施行されます。 br> 電力自由化が行われた中で、FITに認定されている電気は市場でのやり取りが無いため、自由化には当てはまっていません。そこで、プレミアムという補助を上乗せして、市場での売電を行うことで、FITの時のように、ある程度利益を見込めた中で、市場競争を取り込むというものです。 FITでは再エネ賦課金を、電気を利用する全ての人々から徴収しており、みなさんの電気代に影響を与えていました。FIPでは、再エネ賦課金の代わりにプレミアムを徴収します。再エネ賦課金がどんどん高くなっていったのに対し、FIPは市場で売電する分コストが安くなるのではと、見られています。 2022年の施行に向けて、今後制度の内容も具体的になっていく中で、ニュースやこのようなコラムにも露出を増やしてくでしょう。「FIP制度」の名前は、ぜひチェックしてみてください。
br> ■おわりに 日本国内での、再エネに関する制度について見ていきまいした。 まだまだ、再エネの導入を進めている渦中ですので、最終的なゴールに向かって制度が行われている最中です。国内だけでなく、世界に目を広げても、再エネがフォーカスされていることが分かります。 特に近年、国連でSDGsが採択され、その7つ目の目標はエネルギーに関することです。”AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY”(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに) コラムvol7でも触れたように、化石燃料は枯渇することがわかっており、また、環境への影響も以前から言われていました。また、日本では幸いなことに電気を使用することのできる設備、環境が整備されています。しかし、世界では私達の想像を遥かに超える数の人々が電気を使用することが出来ていません。 そういった問題を解決に導く為に、再エネがフォーカスされています。
これまでのコラムで、再エネについて触れてきましたが、国内の電気料金の変化のみならず、世界のエネルギー事情などにも再エネが大きく関わっていることがわかっていただければと思います。
(1分あたり500文字のペースで計算)
注意: このコラムは3年0か月前に書かれたものです。情報が古い可能性がありますので、ご利用の際にはご注意ください。新日本エネルギーが提供する現在のサービスの詳細については電気供給約款のページをご参照ください。
再エネの普及を進めている昨今。
環境問題や、エネルギー自給の問題など、発電を取り巻く環境は規模の大きい話が多いです。その中で、目標が明確になった時、状況の変化に合わせて制度も変化していくものです。制度の変化は少なからずみなさまにも影響を与えてきました。
そこで今回は、再エネに関する制度の変化を一緒にみていきましょう。
br>
■余剰電力買取制度
この制度は2009年11月に始まり、2012年7月まで行われていました。
太陽光パネルを設置しているお家を見かけることってありますよね。
そういった家庭は、お家で発電を少なからずしています。その発電した電気の内、使わなかったものを電気事業者が買い取るのです。一定の価格で、10年間。これが制度の内容です。太陽光発電でつくられた電気を、各家庭で使用し余った電気を買い取るということで、家庭での省エネや節電。そして太陽光発電を進める意味でも、地球温暖化に有効とされていました。2012年に新たに固定価格買取制度という制度が始まります。そこで、制度の一本化が行われ、余剰電力買取制度は終わりを迎えます。
住宅用の太陽光発電により作られた電気の買取期間は10年でした。そこで、10年を満了した方々の電気の買取は保証されなくなりました。
br>
■固定価格買取制度(FIT)
先程、名前が出てきた固定価格買取制度。FIT制度とも呼ばれています。この制度が行われた目的は、再エネの普及です。余剰電力買取制度の対象は太陽光発電のみでした。しかし、FITは再エネが対象であり、もちろん太陽光も含まれているため、一本化されました。この制度も、国が定めた価格で一定期間、再エネにより作られた電気を電気事業者が買い取ります。
br>
ではなぜ、このFIT制度は始まったのでしょうか。
br>
まず、余剰電力買取制度で太陽光発電の導入が進みました。しかし、他の再エネはどうかと言われると、太陽光発電の様な状況にはなっていません。また、世界的に脱炭素社会が目指されている状況で、いつまでも石炭による火力発電だけに頼っているにはいきません。そもそも、日本の石油の調達は輸入に頼っていて、エネルギー自給率を上げる意味でも再エネによる発電を増やす必要があります。再エネの普及や、日本のエネルギー自給率、脱炭素化、そこへ向かうために始まりました。
br>
結果的にこの制度により再エネの導入は進みました。ただ、再エネ導入にかかるコストをみなさんの電気代に含まれる、再エネ賦課金により賄っており、その負担額は年々膨らんできました。電気の使用量は減っているのに、電気代が高くなっているということがあるかもしれません。そんな時はどんどん高くなっている賦課金が原因の可能性もあります。
br>
高くなっている賦課金も、これ以上負担が大きくなるのはいかがなものかと。ある程度再エネの普及も進んできた中で、いつまでも特別扱いは出来ません。そこで、だんだんFIT電気もこれまでの電気の購入の仕組みに戻していこうとなっていた中で、最終的に2020年の見直しで、大規模事業用太陽光発電や、風力発電などの導入が進んでいる競争力のある電源から、FIPと呼ばれる制度への移行をすることが決まりました。
住宅用の電源は、条件付きでFITを継続します。
では、FIPとはどの様な制度なのでしょうか。
br>
■FIP制度
FIP制度。この制度はまだ始まっていません。2022年からの開始が先日決定しました。現在も制度設計が行われていますが、ドイツなどこの制度を導入している国はあります。FITとの目的の違いは、再エネの普及ではなく、自立であることです。その為、これまで直接やり取りされていたFIT電気が市場にでることになります。
再エネが化石燃料に頼っている発電から、メインの座を頂くにはやはり、もっともっと競争力をつける必要があります。そこで、これまで競争から外して普及に努めていた状況から、競争環境下で自立するまでの途中経過で、FIPが施行されます。
br>
電力自由化が行われた中で、FITに認定されている電気は市場でのやり取りが無いため、自由化には当てはまっていません。そこで、プレミアムという補助を上乗せして、市場での売電を行うことで、FITの時のように、ある程度利益を見込めた中で、市場競争を取り込むというものです。
FITでは再エネ賦課金を、電気を利用する全ての人々から徴収しており、みなさんの電気代に影響を与えていました。FIPでは、再エネ賦課金の代わりにプレミアムを徴収します。再エネ賦課金がどんどん高くなっていったのに対し、FIPは市場で売電する分コストが安くなるのではと、見られています。
2022年の施行に向けて、今後制度の内容も具体的になっていく中で、ニュースやこのようなコラムにも露出を増やしてくでしょう。「FIP制度」の名前は、ぜひチェックしてみてください。
br>
■おわりに
日本国内での、再エネに関する制度について見ていきまいした。
まだまだ、再エネの導入を進めている渦中ですので、最終的なゴールに向かって制度が行われている最中です。国内だけでなく、世界に目を広げても、再エネがフォーカスされていることが分かります。
特に近年、国連でSDGsが採択され、その7つ目の目標はエネルギーに関することです。”AFFORDABLE AND CLEAN ENERGY”(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)
コラムvol7でも触れたように、化石燃料は枯渇することがわかっており、また、環境への影響も以前から言われていました。また、日本では幸いなことに電気を使用することのできる設備、環境が整備されています。しかし、世界では私達の想像を遥かに超える数の人々が電気を使用することが出来ていません。
そういった問題を解決に導く為に、再エネがフォーカスされています。
これまでのコラムで、再エネについて触れてきましたが、国内の電気料金の変化のみならず、世界のエネルギー事情などにも再エネが大きく関わっていることがわかっていただければと思います。