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2025年1月31日

コラムvol.24『いざという時に備える!自然災害時の停電対策』

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2024年の元日に起きた能登半島地震から1年が経ちました。この地震で石川県を中心に最大約4万戸が停電しました。地震に限らず近年、異常気象による自然災害が増えています。災害対策には様々な知識や準備が重要となりますが、特に影響が大きい「停電」に着目しいざという時の行動や便利なもの、非常用電源についての知識を説明します。
(※災害の種類、停電期間、避難の有無によっても状況は異なりますが、発生直後から数日の停電について記載します。)

■停電経験者と未経験者の意識ギャップ

停電を体験している人としていない人、両者にはどのような意識の差を生むと思いますか。2024年にパナソニック株式会社が行った「停電経験者と未経験者のギャップに関するアンケート」では、両者の意識の差について興味深い内容がありました。
質問1:
(経験者が)停電時に備えておいて良かったもの/
(未経験者が)停電時に備えておいたほうが良いと思ったもの

調査結果1

停電未経験者は夜に照明機器が点灯せず、暗闇で過ごすことがイメージしづらかったのかもしれません。

質問2:
停電経験者/未経験者で「自然災害への備えができている」と答えた人の割合

調査結果2

男性のうち20代から40代では、停電の経験有無で備えに対する対策ギャップは10%を超えています。それだけ停電を「自分ごと」として捉えられているか、という意識の差が表れていると言えます。
【参考サイト】
パナソニック | 『防災に関する意識調査2024』(2025年1月30日閲覧)

■自然災害で停電が発生したら…3つの基本行動と便利な3つのポイント

自然災害で停電が発生したら、3つの行動をとります。
1. 自宅と近所の状況を把握します
   電気が消えているのが自分の家だけの場合は自宅のブレーカーが落ちていることが
   考えられます。ブレーカーが落ちた場合は、使っていた電化製品の電源を切ってか
   らブレーカーを復旧させます。
2. 自宅も近所もすべて停電の場合は、電化製品の電源を切りコンセントから電源
   プラグを抜き、避難の際は必ずブレーカーを落とします
   これは通電火災防止のためです。ガスの元栓を閉めてガス漏れや爆発を予防するこ
   とはよく知られているものの、通電火災はご存じない方も多いようです。電化製品
   の故障やショートなどが原因で停電復旧後に電力が急激に供給され、通電火災が発
   生するリスクがあります。実際に阪神・淡路大震災や東日本大震災では、電気に起
   因する出火原因が過半数を超えていたというデータもあります。
3. 停電が復旧し電力が使えるようになったら、まず動作確認を行います
   漏電に繋がるような水没や破損が無いかなどを確認してから電源を入れ、操作して
   みて不具合が無いかを確認します。周辺にガスの臭いがある場合は使用を止めてお
   きます。

ブレーカー確認

次に、知っておくと便利なポイントを3つご紹介します。
1. 情報収集へのアクセスを時短化しておく
   災害が発生して停電する場合、正しい情報を素早く得ることが重要です。地元自治
   体のSNSや地域情報をブックマークしておくと便利です。
2. 夜間の停電対策、懐中電灯はランタン代わりにも
   真夜中の停電。手の届く範囲に懐中電灯は置かれていますか。携帯電話のライトで
   も代用できますが、情報取得や連絡に必要な機器のためバッテリーを消耗させない
   ようにしましょう。
   外出先で停電が発生した場合は、玄関付近や郵便ポストへ懐中電灯を入れておけば
   家の中の様子を外から確認できて便利です。
   また、懐中電灯の上に水を入れたペットボトルを置くと四方に光が広がり、ランタ
   ンのように使うことができます。これは、警視庁のHPでも紹介されています。
【参考サイト】
警視庁 | 『ペットボトルで簡単ランタン』(2025年1月30日閲覧)
3. 電気が無くても光る「蓄光グッズ」を活用
   便利なアイテム「蓄光」のグッズをご存じですか。ステッカーやシールなどは100
   円均一ショップなどでも簡単に手に入ります。暗闇で光るため、懐中電灯や家の中
   で段差がある場所などに貼っておけば目印として便利です。

■非常用の電源と、日ごろからについて

いざという時、家庭で利用できる非常用電源には主に次のようなものがあげられます。
・乾電池
 乾電池は予備も含めて多めに準備しておきましょう。最近では充電式電池など繰り返
 し使える電池もありますが、いざという時に充電切れしていないように注意しておき
 ましょう。
・発電機とポータブル電源
 ポータブル電源は様々な容量がありますが、比較的小さいものは手軽に導入でき持ち
 運びも可能なため、短時間の停電対策には適しています。
 一方、発電機は燃料を入れることで電力を発生させるため、長時間の停電でも安定し
 た電力を供給できます。しかし、扱いが難しいうえに騒音や排気ガスの問題もあるた
 め、取り扱いには注意が必要です。

ポータブル電源

・太陽光発電と蓄電池の併用
 停電対策をさらに万全にしたい場合は「太陽光発電と蓄電池の組み合わせ」が最もお
 すすめです。太陽光発電は自然エネルギーを利用した発電方法で、太陽光を受けて発
 電された電力を家庭で使用することができるものです。
 停電が発生していない時でも、太陽光発電システムを導入することで家庭の電気料金
 を大幅に削減することができます。
 蓄電池は、太陽光発電で発電された電気を貯めることができる装置です。太陽光発電
 で発電された電力を蓄電池に貯めておくことで、停電時でも家庭で電気を使用するこ
 とができます。
・カーバッテリー
 移動手段としてだけでなく、寒暖差への対応や車載のラジオやテレビからの情報収集
 、インバーターやカーチャージャーを用意すれば携帯電話の充電までマルチに役立ち
 ます。日ごろからガソリンを満タンにしておくことをおすすめします。

■おわりに

停電は突然起こります。防災グッズを揃えるだけでなく、「実際に使う」シーンを想定しておきましょう。また、普段からエネルギー効率の高いLED照明や節電を心掛けておけば、非常時でも電力不足の影響を軽減することができます。家族との安全な生活を守るため防災について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。

家族との明るい未来

ライフハックライター 永田 あゆみ(中小企業診断士)